デュアルライフ36年

 長野県の飯綱東高原にログハウスを建ててから、もう36年が経ちました。この地にセカンドハウスを建て二拠点生活すると決めたのは、山の自然の中で生活がしたいという強い思いからでした。都会の喧騒を離れ、四季折々の自然に囲まれた場所で心を落ち着け、暮らすことは、当初想像していた以上に素晴らしいことでした。

 最初にこの地に足を踏み入れたとき、飯綱山山麓の木々に囲まれた土地は空気が澄んでいて、心を癒すせせらぎの音に感動しました。特に冬は厳しい寒さの中で、周囲の雪景色が静けさとともに心に深く染み入りました。その後、ログハウスの建設が始まり、一歩一歩完成に近づく過程を見守りました。木材の香りや、手作りの温もりが感じられるログハウスは、ただの住まいではなく、心の拠り所となり、自然との一体感を感じさせてくれました。

 飯綱東高原での生活を通して、最も大きな学びは「自然との共生」です。ここでの生活は、天候や季節の変化を肌で感じ、自然に合わせて生活のリズムを作ることが求められます。特に冬の雪かきや春の木々の手入れ、秋の実りの恩恵など、毎年の繰り返しの中で自然との距離感が縮まり、心地よいものとなっていきました。自然の厳しさに触れることができたからこそ、その美しさをより深く感じることができたのだと思います。

 また、この36年間の生活の中で、自分のペースで過ごすことができるというのは、都会では味わえない貴重な体験でした。忙しさに追われることなく、ゆっくりとした時間が流れる中で、趣味や自己探求を深めることができました。時には静かな午後のひとときにゆったりしコーヒー飲みながら物思いに耽る。友人や家族と共に過ごし、地域の農産物を食し、腹を満たすことが、私にとって何よりも幸せな瞬間でした。幸い山の中とはいえ、車に乗れば町との距離が近く不便さを感じることはありません。買い物などの用事は10分くらいで行くことができます。

 振り返れば、飯綱東高原で過ごしてきた36年は、自然の中での穏やかな時間と共に、多くの体験の連続でした。仕事と生活のバランスを取りながら、この地で得た知恵や体験は、私にとってかけがえのない宝物となりました。今後もこの地での生活を続けていきたいと思っています。自然と共に歩みながら、これからも心豊かな時間を積み重ねていくことが、私にとっての最良の生き方なのだと感じています。

デュアルライフ(二拠点生活)

高原の四季 春 りんごの白い花が山すそに一面霞のように咲き、落葉松の新緑が目に鮮やかに芽吹きます。 夏 湖でのボート遊び、テニス、ゴルフ、渓流つり。花火大会もあり、夜空を飾ります。 秋 すすきの穂がさわやかな風に揺らめき、オニグルミの実が落ちる音に驚かされます。 冬 一面銀世界。スキーやスノボーで快い汗を流す。輝くオリオン座に北斗七星。

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